●Malanda state High school
日本の畜産についてプレゼン・授業。マランダ高校の生徒と一緒にafternoon tea。
●ファームステイ
ホストファミリーと週末を過ごし、オーストラリアのワークライフバランスを経験。
●研修成果報告会
◎畜産ティーン育成プロジェクトを通して
私はこの研修に参加し、「国はどう畜産業を支えるべきか?」という研修テーマのもと、日本に足りなくてオーストラリアにはあるものを現地での質問や経験を通して考えました。日本には数えきれないほどの補助金制度があるため、畜産が盛んなオーストラリアにはもっと多くの補助金制度があるだろうと決めつけていました。しかし、実際に現地から出てきた言葉は「国が助けてくれないから酪農家ができなくなった」、「土地が高すぎて新規就農者が参入しにくい」といった国に対する多くの不満でした。研修を重ねるうちに私は、日本は国からの支援が他国よりも多いのではないかと思うようになりました。では、なぜ多くの補助金制度があるにも関わらず日本の畜産業は発展しないのかという疑問について、それはこの補助金政策が表面的な政策であるということです。主に、今から就農する人の費用や農家さんへの補助が多い傾向がありました。しかし、農業をするための知識や勉強の機会はなく、すでに始まっていることについての補助ばかりで、土台や足場になるような政策は中々見つけることができなかったのです。だからこそ、オーストラリアで学んだことを通じて以下の2点に焦点を当てました。
1つ目は放棄地の問題についてです。オーストラリアにも放棄地があるのか移動中も注目して過ごしていました。すると、一見放棄地に見える場所や道中かなり斜面のきつい山でも放牧が行われていて、こんなところでも牛の放牧が可能なのだと自分の常識を覆されました。加えて、農家さんに質問をすると「使わない土地や管理の行き届かない土地は貸し借りして使う」という答えが返ってきました。オーストラリアでは使うことのできる土地は余すことなく使っているのだと気づきました。日本はオーストラリアに比べて権利や担い手の問題を除けば土地としては使える耕作放棄地が多いと思います。しかし、オーストラリアのように貸し借りをすることは権利の観点から難しく、また日本の耕作放棄地は棚田のような狭い土地や山の斜面で土壌のあまりよくない土地が多くみられるため活用されにくい現状にあることを知りました。そこで、私はその土地を養鶏や放牧などで活用するのが最適な方法だと考えました。作物ほど土壌や栽培管理の効率性を重視せず、尚且つ土壌の改善も同時に行うことができるからです。オーストラリアのような広大な土地はなくても、日本の地形を活かした放牧が可能だと考えました。
2つ目は義務教育です。現地の方たちは幼い頃の経験がきっかけで農業に興味を持つ人が多いこと、日本とオーストラリアの共通の問題として後継者不足であることを教えていただきました。「幼い頃の経験が農業への興味を引き出す」という気づきをもとに、農業を義務教育として取り入れると良いのではないかと考えました。この提案についてオーストラリアの農家さんに質問をしてみたところどの農家でも取り入れた方がいいと回答をいただきました。また、幼稚園生、小学生のような幼い頃には実践形式での学びを、中、高生にはより発展した知識としての学びを取り入れると良いのではないかと意見をいただき、日本とオーストラリアの問題が可視化できたとともに国が動かなければならない課題だと再認識しました。幼い頃から農業に触れ、関わることで農業への理解を深める、きっかけを作ることができる。それぞれの年代に合わせた教育方法をとることで子供たちに農業を押し付けない、負担にならない教育ができ、より農業への興味を引き出すことができるのではないかと考えました。
この2つの提案を取り入れることができれば国全体の農業への関心が大きくなり、日本の農業がより良いものになっていくと私は考えます。
私は畜産ティーン育成プロジェクトを通して20人の頼れる仲間が全国にできました。研修期間は毎日意見をぶつけ、お互いに刺激し、高め合いながら学びを深めていきました。オーストラリアで畜産を学べたことはとても大きな経験であり、たくさんの出会いがあったことは私にとって忘れることのできない思い出です。この経験を活かし、これからは日本の畜産業を支えていく1人の人間として、「牛にとっても人間にとっても幸せな畜産」を自分のテーマに掲げ、目標である家畜人工授精師を目指して頑張っていきます。















